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活動アーカイブ

平成27年度 公開ワークショップ開催報告

発言内容

2016/03/16

ワークショップでの発言内容を参加者別にまとめて要約したものです。発言内容の詳細については動画をご視聴ください。


日下 恵(くさか・めぐみ)氏

日下 恵(くさか・めぐみ)氏柳谷観音楊谷寺 執事

プロフィール

1969年京都生まれ。長岡京市の古刹・柳谷観音(楊谷寺)の前住職の長女として生まれ、現住職夫人として、西山三山をはじめ乙訓地域の自然や歴史を活かした観光振興や特産品開発・まちづくり事業に取り組む。

お寺は心でおもてなしする癒しの場所

柳谷観音は長岡京市の山奥にある。開創は806年、第一世は清水寺の延鎮(えんちん)僧都、第二世は弘法大師で、独鈷水(おこうずい)という眼病平癒、眼の霊水があり、江戸時代には霊元天皇の眼病平癒をきっかけに天皇家や公家方の信仰を集めるようになった。世代交代を機に近年は観光面に力を入れており、映画やテレビの撮影があって、景観を愛してもらっていると思っている。
お茶はお寺とは切り離せないもので、柳谷観音には黒田官兵衛の黒田家が財を成した「目薬の木茶」があり、そのお茶でおもてなしをしたりもしている。お寺には写経や写仏などいろんなツールがある。この秋から「美心(びじん)膳」という料亭のお弁当を出すが、心でおもてなしして、心を癒していただくお弁当。お寺はそういう場所でないといけないと思う。お寺を多くの方に来ていただける癒しの場にしたい。

地域間連携で発信力強化を

長岡京市の特産物はタケノコだが、竹でどのように長岡京市をアピールしていくかを考えている。宇治のお茶、長岡京のタケノコ、大山崎の歴史、向日市の辛いものなどを、点ではなく線でつないで連携して動いていく。京都市以外の地域では、協力しあって連携していかなければならない。
宇治のお茶や山城地域の料亭のお弁当を、「このお寺ではこのお茶、この神社ではこのお茶」というように長岡京市や大山崎の社寺で飲食できるようにしてはどうか。神社仏閣の歴史、日本料理のお弁当、お茶のおもてなしという環境が整うと観光客にも楽しんでもらえる。宇治のイベントで長岡京市や向日市や大山崎町の特産物を、長岡京市のイベントで宇治のお茶を紹介し、まず地元に浸透させてから海外の観光客を呼び込むべきだと思う。

小林 裕(こばやし・ひろし)氏

小林 裕(こばやし・ひろし)氏祥玉園製茶株式会社 代表取締役

プロフィール

1975年京田辺市生まれ。福岡県八女茶の産地で修業後、茶師として経験を積む傍ら、茶審査技術競技大会での上位入賞を経て、2010年日本茶鑑定士の資格を取得。京都唯一の日本茶鑑定士最高位として各地で宇治茶の普及活動に取り組む。

宇治茶ブランドを支える「手摘みのお茶」

宇治茶には高級茶というブランドイメージが深く浸透しているが、他の産地がまねできない宇治茶特有の素晴らしさとは、覆下で作った最高級の「手摘みのお茶」だと思う。摘み子の減少や高いお茶が売れない時代の中で手摘み茶園の経営面積はどんどん縮小しているが、宇治茶の原点である手摘みのお茶を残していくために、2020年東京オリンピックを契機に、一番いいお茶を皆さんに知ってもらい、他業種と連携しながら、来ていただいた方に宇治茶の素晴らしさを発信していきたい。

淹れ方の工夫で高級茶を身近に

いいお茶を一般の消費者に飲んでもらうためには、飲み方や淹(い)れ方をもっと工夫する必要がある。茶業界では消費者に向けておいしいお茶の淹れ方を発信しているが、玉露でも「お湯を何度に冷まして、淹(い)れて何分待って、少しずつ注ぎ分けて……」というような淹れ方では、やろうという人は限られる。京田辺市の農協で昨年「玉露のうまい淹れ方コンテスト」を実施したが、お題のお茶を決めて自分の好きな淹れ方で淹れてもらったところ、同じお茶でも人によって全く味が違うのに驚いた。参加者には自宅で練習してきてもらったが、お年寄りから子どもまで、玉露を淹れたことがある人もない人も、それぞれがいろいろな淹れ方を考えてくれた。お茶は季節に合わせて、相手のことを考えながら淹れるものであり、お茶を普及する上では、自分で淹れ方を考えることが興味を持っていただく一つの契機になるのではないか。今後に向けて新しいイベントを考えていくのもいいが、今あるものに乗って大きく膨らませるというやり方で、玉露や抹茶といった高級茶にも興味を持ってもらうことができるのではないか。

茶工場や茶園を見学型に

生産現場を見せることは一つのPRであり、今後は茶工場や茶園を見学型にしていく必要がある。それによって観光スポットにもなり、そこに新たな商売も生まれるのではないかと考えている。

下口 英樹(しもぐち・ひでき)氏

下口 英樹(しもぐち・ひでき)氏平等院表参道 竹林主人

プロフィール

1972年宇治市生まれ。料理専門学校卒業後京都の料亭「菊乃井」での修業を経て、1997年に「平等院表参道 竹林」をオープン。日本料理アカデミーの一員として、京都大学との共同研究プロジェクト「日本料理ラボラトリー」研究会に参加、海外でのワークショップ等を通じて食文化の国際交流活動に携わる。龍谷大学「食の嗜好研究センター」客員研究員。

日本人の日常に浸みわたっている文化を見つめ直す

料理の業界でいろいろなイベントに出させていただいているが、海外に行けば行くほど日本の文化、京都の底力を感じる。食は文化が根づいたところでないと発展しない。京都で日本料理を勉強している海外の有名シェフたちも、日本の文化の深さに感銘を受けている。2020年東京オリンピックは、たくさんの方に日本や京都の文化を感じてもらうチャンスだ。何を残していくか、どう発信していくかということでは、日本人の日常に浸みわたっている文化をわかってもらい、もう一度磨き直して見つめ直し、それを未来に向けて継続していくことが必要だ。

宇治では「3時にお茶で一服」

宇治ではどこに行ってもおいしいお茶や食事が楽しめるようになればいい。地元の認識度も必要。3時になると宇治の人はみんなお茶を飲むというふうにしてはどうか。お茶をふるまうことはおもてなしで、お茶には「ご苦労様、ちょっと一服してください」という気持ちが込められており、対話のツールでもある。京都市の「日本酒で乾杯」の条例のように、宇治では「3時にはお茶で一服」をキャッチフレーズに、市役所でも一斉に休憩して抹茶を飲むようにすれば面白いと思う。

地域の食や文化を楽しんでもらうために

歴史のある神社仏閣での催しは、日本人だけでなく海外の人にとっても特別なインパクトがある。お茶だけでなく、食やいろいろな形で発信していく。お茶には闘茶や茶香服(ちゃかぶき)といった遊びがあるが、お寺にも昔からの遊びや文化を学べるようなものがあれば、それを体験できれば面白い。
長岡京、和束、宇治とか地域を分けず、1つの地域と考えるほうが海外の人にはわかりやすい。たくさんの人を巻き込んでいくためには、もう少し大きな目線で考えたほうがいい。

古川 嘉嗣(ふるかわ・よしつぐ)氏

古川 嘉嗣(ふるかわ・よしつぐ)氏茶生産者

プロフィール

1972年宇治市生まれ。高品質茶葉の生産に携わる傍ら、京都府茶業連合青年団の団長として「大学対抗茶香服リーグ」等の宇治茶の普及活動に取り組む。各茶品評会での上位入賞歴多数。

総合文化としてのお茶

宇治で茶畑はなかなか探しても見つからないと思うが、宇治川右岸で、昔ながらの有機質肥料を中心に使い、未だに手摘みでお茶を作っている。お茶を摘み、製茶して販売することの全てが文化だと思うが、それを発信できていないことが一番の問題点。
お茶の業界では首都圏等で地道なPRをしているが、総合的な文化としては発信できていない。今回いろんな業界の方々とお会いして、改めてセットで訴えていく必要があると感じた。机や茶碗があって初めてお茶が飲める。それを全て「いいな」と感じてもらえるところを目指し、また、後々に伝えていきたい。

お茶の生産工程や効能を伝える

お茶は嗜好品であり、いい抹茶でも苦いと感じる人もいれば旨いと感じる人もいる。どのようにして作っているかを説明して、感心して飲んでいただくように心がけている。
また、お茶は健康にいいと言われるが、お茶を飲んでほっとする、そういう心のゆとり、これがストレスの軽減になって一番大きい。飲んでほっとする瞬間が人間には大切で、それがお茶で、一番身体にいいと聞いたので、そういうことをもっと伝えていかなければならないと感じている。

松石 三重子(まついし・みえこ)氏

松石 三重子(まついし・みえこ)氏日本茶インストラクター協会京都支部長・宇治茶伝道師

プロフィール

1947年和束町生まれ。茶農家に育ち、結婚後は茶の加工機械の販売に携わる。
2003年から日本茶インストラクターとして「お茶のいれ方教室」等各地で宇治茶の普及活動に取り組む。2012年度に京都府より宇治茶伝道師に委嘱。

こどものころからお茶を飲む習慣を

昔は家庭の茶の間で、急須や土瓶でお茶を淹(い)れて飲んでいたが、今はそういう生活習慣がなくなり、誰でもどこでも飲めるペットボトルのお茶が世界に広がっている。「日本の歴史と文化はお茶から、京都から」ということで、日本茶インストラクターとして子どもの頃からお茶を飲む習慣を身につけてもらうための活動をしている。和束保育園でお茶教室を始めて6年になるが、お茶の味を子どもの時期に教えることが大事だ。お茶を淹れている間に対話ができるので、保育園児からお茶を介して対話の訓練をしてほしい。

お茶に興味を持ってもらうための工夫

今はお茶の成分が研究され、効能効果がはっきり説明できるようになってきた。それを海外の方にも伝え、発信できたら興味を持ってもらえる。日本人には、お茶の味を知っていることが自分にとってプラスであり、本物を知ることがものを見る目を養うことになるという説明をするとわかってもらえる。
数年前に知事と一緒にイングランドに行った時、現地で和束の煎茶を淹れて飲んでもらった。その際に、このお茶がどういう場所で栽培されているかを見てもらうために、和束の茶畑の写真を大きく引き伸ばして持って行き、お茶を淹れる背景に掲げたが、景観を見てもらうことも大事だ。
京都府の「宇治茶ムリエ養成講座」では、宇治茶のおいしい淹れ方と歴史をインストラクターが1時間以内で説明し、受講者に名刺サイズの認定証を発行している。それがものすごく受ける。宇治に来られた海外の人にもおいしいお茶の淹れ方や抹茶の立て方を説明して、認定証を発行してはどうか。

茶筅で抹茶を、急須でお茶を

忙しい時やのどが渇いた時はお水やペットボトルでいいが、「心が渇いた時は茶筅で抹茶を、急須でお茶を」といつも言っている。記念日や晴れの日には、上級な抹茶や玉露を飲んでもらえたらと思っている。玉露の茶殻にはいい成分が含まれているので、茶殻は捨てずに食べてほしい。

松林 佑典(まつばやし・ゆうすけ)氏

松林 佑典(まつばやし・ゆうすけ)氏朝日焼窯元

プロフィール

1980年宇治市生まれ。同志社大学法学部卒業後、大手流通会社入社。京都府立陶工訓練校を経て父・十五代豊斎の許で作陶を修行、2010年から本格的に作家活動を開始。茶陶を中心とした器の制作のほか、GO-ONメンバーとして国内外で展示会やワークショップ等を実施。各地で「お茶を淹れる愉しみ」を広げる活動を展開している。

日本文化の特徴は「多様性に対する受容性」

朝日焼は約400年間宇治でお茶の器を作ってきた。お茶の文化から日本の文化の特徴を考えたときのキーワードとして、「多様性に対する受容性」がある。日本は多様性の低い国だと思われているが、日本文化の多くが多様性を受け入れ、それを否定せずに取り込むことによって成り立っているということが、非常にユニークな点ではないか。茶道の世界では、天目茶碗、高麗茶碗、井戸茶碗、楽茶碗、朝日焼というように、いろんなものが組み合わされてお茶室の中で楽しまれている。自分たちの国の中で、自分たちの美意識で作られたものが素晴らしくて、そこに文化が育まれていることは多くあるが、他から来たものを自分たちで組み合わせて一つの文化として成り立たせる、こういう多様性に対する受容性は日本人の特性。宗教的な対立が問題となっている時に、世界中に対して良い影響を与える発信力のあるメッセージだと思う。それを茶碗やお茶を通して伝えるイベントができればいい。

宇治を「お茶の聖地」に

宇治を「お茶の聖地」にしたい。宇治ではお茶が生産されていて、商いがされていて、茶道という文化が育まれ、お寺があって、お茶の器を作っている。お茶の文化を楽しむのにこれほど適した場所はない。ファッションであればパリやミラノへ行くように、世界中の人がお茶を楽しむために宇治に集まってくるようになればいい。「松露会」や「宇治茶まつり」を発展させ、お茶でお客様をおもてなしすることだけをルールにして、現代アーティストとお茶屋さんが組んで一席設けるとか、料理屋でお茶を中心とした特別メニューの料理が食べられるとか、地域一帯で1週間ぐらいいろんなイベントが行われるようになれば面白い。
お茶の淹(い)れ方も絶対的な正しい淹れ方があるわけではなく、相手や自分に対して一番いい淹れ方を考えるから面白い。それを大前提として共有するためのイベントも大事ではないか。

外の人の視点で魅力を発掘する

宇治と言えばお茶をイメージするように、わかりやすいことが大事だ。八幡市の松花堂庭園にお茶室があり、松花堂昭乗と吉兆との御縁で松花堂弁当が始まったように、山城地域にはたくさんの歴史が眠っている。何に新鮮味を持ってもらえるかについては、できるだけ外の人の視点を入れて考えていくべきだ。

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