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コラム
2018年4月23日

【日本画と創造】森田りえ子さん

日本画家 森田 りえ子さん

伝統文化を背負った舞妓から ミニスカートの少女まで 100年後を見据えて「今」を描く。

花街には俗世とはかけ離れたミステリアスな魅力がある。日本画家・森田りえ子さんは、そんな京の花街に魅了されて足しげく通い、舞妓を描き続けてきた。「『歩く伝統工芸』といわれる華やかな着物や帯髪飾り等、細部にまで細やかな季節感が表現されていたり、屋形(置屋)のお母さんから伺う花街のしきたり一つひとつにも日本の美意識が詰まっていて、描きがいがあります」と語る。 

小説や絵画など舞妓や花街を題材にした作品は数多いが、日本画はその世界をひときわ艶やかに描き出す。「日本画の真骨頂は、天然の鉱石を砕いた岩絵具の美しさにあります」と森田さん。岩絵具を膠液で溶き、画面に塗ると、やがて膠が沈着して、まるで宝石のような輝きが前面に表れる。その色彩は、軸や巻物のみならず、襖絵や天井画として神社仏閣や建築を鮮やかに染めてきた。 

2007年、森田さんは金閣寺(鹿苑寺)本堂の杉戸絵及び客殿の天井画を手がけた。歴史上の名だたる絵師たちと肩を並べ、100年後、200年後の未来に作品が残っていくことになる。「その覚悟を持って、全身全霊で描きました」と森田さん。「時とともに美しく変化するのも岩絵具の魅力の一つです。真新しい白木の杉戸も100年後には琥珀色に変化するでしょう。そうした木材の深さに馴染むよう考えながら四季の草花を描きました」と明かした。 

花鳥風月といった伝統的な題材だけでなく、従来の日本画にはない新たなテーマにも果敢に挑む森田さん。「今の舞妓さんは伝統を背負いながらも普段は携帯電話でSNSに興じる普通の女の子。そんな『今』を描きたい」と言う。ミニスカートに携帯電話を持った茶髪の少女、さらには変身願望の少女群「GITA(I 擬態)シリーズ」など、鍛練に裏づけられた確かな筆致で斬新な表現を追求し、日本画の新境地を開いている。 

「京都には歴史ある寺社がそこかしこにあり、四季折々の草花や国宝級の文化財を日常的に目にすることができます。芸術家にとってこれほどすばらしい街はありません」と森田さん。千年を超える文化に刺激を受けながら、未来へ続く美を創造している。


出典:『京都文化力プロジェクト2016-2020 機関誌 vol.2』「新たな想像力に触れる」

 
 
 
 
 
 
 
 

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