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コラム
2018年6月20日

【演劇と創造】三浦 基さん

劇団 地点 代表/演出家 三浦 基さん

コーヒーを抽出するように古典作品の魅力を抽出。時を越え、国境を越える京都発の現代演劇。

京都市左京区、学生の街として賑わう北白川の一角にある小劇場ではこの日、月替わりの演目・ゴーリキーの『どん底』が上演されていた。

演劇通ではない人にとって現代演劇は、難解でとっつきにくいという印象を与えるかもしれない。そんな誤解を払しょくし、「演劇が特別なものではなく、日常の中にあって、気が向いたらいつでも観劇できるものになればいい」と、劇団・地点の代表で演出家の三浦基さんは常設劇場を構えた理由を語る。

地点は、2005年に京都で旗揚げして以来、『かもめ』『桜の園』などチェーホフの四大戯曲をはじめ、シェイクスピアなど古典と呼ばれる文学作品や戯曲を上演し続けている。三浦さんの演出の特徴は、ストーリーの断片をコラージュしたり、時には大胆にカットするなど、原作を咀嚼し、新たな解釈で再構成して見せることだ。「ヨーロッパやロシアの古典作品をどうやったら現代の観客にも刺激的に見せられるかを考え、コーヒーを抽出するようにエッセンスを引き出す」と言う。

光や音を駆使した幻想的な舞台から、現代的な衣装や小道具、独特の台詞回しや身体表現まで、現代に通用するかたちを模索することで、むしろ原作の持つ力強さが生き生きと湧きあがってくる。三浦さんが「里帰り」と呼ぶように、その魅力は数百年の時を経て、さらには国境をも越えて普遍的な広がりを見せている。チェーホフをロシアで、シェイクスピアをイギリスで、さらにブレヒトをドイツでと、作家の母国で上演。眼の肥えた現地の演劇ファンから「作家の本来の言葉に出会った」と称賛を浴びた。

「京都に拠点を置いて12年。世界の演劇関係者が来日した時には必ず地点の舞台に足を運んでくれるようになりました」と続けた三浦さん。いまや地点は世界に開けた日本の演劇の「窓」の役割を果たしつつある。「世界はもちろん、日本の人々がもっと身近に現代演劇に触れられるような本格的な常設劇場を京都に作りたい。伝統芸能が地域に根づき、文化を受け入れる豊かな包容力を持った京都だからこそ可能だと思っています」と夢を描く。

撮影:松見拓也

出典:『京都文化力プロジェクト2016-2020 機関誌 vol.2』「新たな想像力に触れる」

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