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コラム
2017年8月31日

ノンバーバルパフォーマンス『ギア』

『ギア』プロデューサー 小原啓渡さんに聞く

人間とは、何か? 『ギア』は、その答え。

2010年1月にデビューを果たした、ノンバーバルパフォーマンス『ギア』。大阪の道頓堀studioZAZAで行われた第1回のトライアウト公演に対する感想は、いまもインターネット上で多数見ることができる。「衝撃だった」と。マイム、ブレイクダンス、マジック、ジャグリング、そしてドール。単体ではいずれも既存のパフォーマンスであるが、それらをひとまとめにしたエンターテイメントは、まったく新しいものとして社会に迎えられた。歌舞伎などの舞台照明家であった小原啓渡さんは、『ギア』の誕生について次のように語る。

「歌舞伎というのは、歌、舞、わざ、外連(けれん)などの複合が舞台を作ります。つまりコンプレックスアート。『ギア』はそれらの要素を現代アートに変換したものです。ただし肝心なことは、個々のレベルが高いだけではダメで、いかに“調和”するか、です。京都というのは、レベルの高いファクターが混ざり合ってさらに優れた文化が生み出される街。

『ギア』が京都に専用劇場を持っているのは必然なんですね」。『ギア』は、歌舞伎や能のような、いわゆる複数の「演目」はない。『ギア』が唯一無二の演目だ。ストーリー自体も、人間型ロボットが働くおもちゃ工場で繰り広げられる“人間ドラマ”として、不変のものである。発足以来、たったひとつの演目を1700回以上も演じ続けている。何十回と足を運んでも飽きない、そして毎回あふれる涙をこえきれない、という人もいる。その魅力は何なのだろうか...。

マイム、ブレイクダンス、マジック、ジャグリング、ドールには、それぞれ3~6人のパフォーマーがいて、掛け算をしていくと配役の組み合わせは3000通りを越える。つまり1715回上演(2017年3月11日現在)してもなお、すべての組み合わせで演じるには至っていないのである。毎回組み合わせが違うということは、毎回、違う面を見ることができるということだ。

「『ギア』は幕の内弁当のようなものですね。ひとつひとつのおかずを丁寧に作り、小さいところにコンパクトに収める。季節に応じて具が変わり、そして“メインがない”という意味でもそう」。と小原さん。日本的な「和の思想」、たとえば禅の庭に通じるような概念も読み取ることができる。

「ロボットが成長していくストーリーは、ストレートに人間ではなくあえて『ロボット』として見せることで、より人間らしさを表現しようとしているように感じました」。筆者の感想に、小原さんの顔がほころび大きくうなずいてくれたのが印象的であった。

京都市 三条御幸町にある『ギア』専用劇場

出典:『京都文化力プロジェクト2016-2020 機関誌 vol.1』「五感で知る、京都。」

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