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コラム
2017年11月21日

京の酒造り

招德酒造代表取締役社長 木村紫晃さん、杜氏 大塚真帆さんに聞く

京の料理の良き伴侶として

京都の料理のレベルは、一般家庭を含め総じて高い。“美味いものがあれば美味い酒が飲みたくなる”のだ。

千年の都・京都には古くから酒の需要があった。平安時代の宮中における行事や神事において、酒が嗜(たしな)まれていたのだ。やがて、徐々にまち中に広がり、一般の人も口にするようになると消費量が増えていき、室町時代の京都には300あまりの造り酒屋があったと言われている。

現在、京都の酒造りの中心は伏見であろう。明治に入って交通・運搬の仕組みが整備され、洛外での酒造りに支障がなくなり、広いスペースと採水の便宜も加わり多くの酒蔵が洛中から伏見に移転をした。現在も20を超える蔵が存在しているが、伏見の清酒の製造量は全国のおよそ2割(※)にあたり、そのなかで、世界にもその名を知られる「月桂冠」「宝酒造」「黄桜酒造」の大手3社が大部分を占める。

京都・伏見の酒造りの魅力は、規模では大手にかなわない中堅、小規模の酒蔵が、個性的な酒造りをして存在感を示し、伏見全体のバリエーションを高めていることである。それは“生き残るため”の戦略と言うべきであろうか、常に挑戦・革新し続ける酒蔵の姿がそこにある。

「うちみたいな小さなとこが話してもええんですかね」と言うのは、「花洛」ブランドで知られる招德酒造の木村紫晃社長。個性的という意味では、招德酒造のキーマンならぬ“キーウーマン” は、日本でも数少ない女性杜氏の大塚真帆さん。日本酒の美味しさに惹かれてこの世界に入り、杜氏になって12年が経過する。大塚さんは入社後間もなく、それまでの酒造りの在り方やスタイルに疑問を持ち、江戸時代に主流 だった「生酛(きもと)造り」という、天然の乳酸菌を発酵させる方法を復活させ、個性を明確にした多品種少量生産への転換を図った。そして、ボトルやラベルのデザインも、それぞれの味に合ったものへと一新すべく、大塚さん自らデザインを行っている。さらに、原材料である「米」の生産農家にも足を運び、理想の酒造りに向けて、隅々まで丁寧な仕事を欠かさない。

こうした頑張りとこだわりが、中小蔵元にも共通して存在するのだ。

木村さんに、どんなシーンをもっとも重視して酒を造っているかを尋ねた。
「やはり食中酒として召し上がっていただくのがいちばんですね。食べながら、飲む。自分の経験から、香りを主張しすぎず料理との食べ合わせが良い酒を造りたいですね。京都の料理は出汁が非常に効いていますので、出汁の旨みとのマッチングがポイントです」。

大塚さんは続ける。
「そのためには、麹の味が決め手になります。どういう特徴の米を、どれだけの量溶かすか…。結果がすぐには出ないので、試行錯誤の“毎年”です」。

ところで京都には、「京都市清酒の普及の促進に関する条例」があり、全国に先駆けて“乾杯は日本酒でしよう”という機運を作り上げたまち。そんな京都の酒造りの担い手の心意気に、今宵も日本酒がすすむ…。

※:国税庁ホームページ「清酒製造業の概況(平成27年度調査分)より

酒造りのワンシーン

“ジャケ買い”を誘う魅力的なデザインのボトル

出典:『京都文化力プロジェクト2016-2020 機関誌 vol.1』「五感で知る、京都。」

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