• 日本語
  • English
  • 简体中文
  • 繁体中文
  • 한국어
  1. HOME
  2. 活動アーカイブ
  3. おもてなしワークショップ~作法から分かるくらしの文化の奥深さを海外に発信~ 開催報告
活動アーカイブ
2017年3月9日

beyond2020プログラム認証事業

おもてなしワークショップ~作法から分かるくらしの文化の奥深さを海外に発信~ 開催報告

京都文化力プロジェクトでは、多くの方々に京都の文化に触れていただくとともに、市民府民のご意見等を広くお聴きし、また参加いただくことにより機運を醸成していくワークショップを京都の各地域で行っています。 平成29年3月9日(木)に、下鴨神社(京都市左京区)にて、京都のくらしの文化にある、おもてなしや相手を思いやる心を表現する作法について,より考えを深め,今後京都を訪れる世界の人々に日本人のこころを伝えていくことを目的としたワークショップを開催し、約70名の参加者がありました。また、beyond2020プログラムの認証を得て、2020年以降を見据えた日本文化の魅力を発信するイベントとして開催しました。

開催概要

主な意見

  • 日本の文化や作法を伝えるにあたり、まず私達が理解していく事が大切だと強く感じた。
  • 礼法の本来の意味が理解でき、おもてなしについてもう一度考え直す良い機会となった。
  • ディスカッションでは、様々な立場の方の意見を聞く事ができ勉強になった。
  • 海外からのお客さまにも、作法やマナーを伝えた上で、深い知識と積極的なコミュニケーションで京都の魅力を伝えたい。

第1部 基調講演「作法から分かるくらしの文化の奥深さを海外に発信」

講演内容は要約したものです。内容の詳細については動画をご視聴ください。

  • (約13分)
 

小笠原 清基氏 弓馬術礼法小笠原流次期宗家

プロフィール

1980年生まれ。
弓馬術礼法小笠原流31世小笠原清忠宗家の長男。
3歳で稽古を始め、小学5年で鎌倉の鶴岡八幡宮で流鏑馬神事の射手を務める。
大阪大を卒業後、筑波大大学院にて 神経科学博士 を取得。「家業を生業しない」という家訓があり、現在製薬会社の研究員。

  • NPO法人小笠原流・小笠原教場 理事長
  • 東京理科大学非常勤講師
  • 一般社団法人日本文化継承者協会 代表理事
  • 一般社団法人蛍丸記念刀剣文化遺産伝承会 顧問
  • 日本女子体育大学弓道部 監督

小笠原家の歴史

1174年、初代長清が時の高倉天皇から小笠原の姓を賜る。1187年に源頼朝公の命により、華美な公家文化をもとに質実剛健の武家の文化を形作る。この時に、小笠原家に現代まで伝わる礼法、弓術、弓馬術の三つが生まれる。江戸時代に至るまで、将軍家にこの三つを指南していくことを専業とするが、明治に入り、“一般の方に流儀を教えるが、それを専門職にはしない”という考えのもと、時代に合わせた継承をおこなっている。
 

武道の基礎となる礼法

武士は武芸十八般と呼ばれる武術を総合的に学び、道を究めてきた。明治以降、 様々な武術すべてを学んでいくことが難しくなっていったため、一つの武術を学 ぶことで道を究めようという考えが生まれた。そこで、弓術は弓道に、柔術は柔道に、剣術は剣道になっていった。小笠原家では、“道というのは各自で歩むものであって教わるべきものではない。だが、歩み方を知らないと歩けないので歩み方を教える。”という考えのもと、その道を歩むための方法の基礎となる礼法を大切にしている。
 

礼法の基本理念

まず、“型を追い求めることはしない”ということ。お辞儀は45度、など形ばかり追い求めるのではなく、何がしたいのかということを突き詰めて考えれば、自ずと形は決まっていく。また、“筋肉の動きに反しない”、“物の機能を大切にする”、“環境や相手に対する自分の位置を常に考える”ことも重要である。
小笠原家では礼法は一番基礎になるもの。基本と応用の動作を繰り返し稽古することで、心と体の両面が鍛えられる。これにより、調和のとれた美しい所作を学び、動きには常に意味があるという根本的な考えが身につく。
 

小笠原流おもてなし

思いがあってもそれを表現する動きがなければ伝わらないし、逆に表現する形だけ知っていてもそこに思いがなければ意味がない。この二つが合わさるのではなく、練り合わさることによって、初めておもてなしの心が伝わる。また、自分がしっかりしているからこそ、相手が何を求めているか分かる。文化の違う人にはしっかりと意味を伝えることで納得してもらえる。

第2部 グループディスカッション

議論・発表の内容は要約したものです。詳細については動画をご視聴ください。

  • (約13分)
 
参加メンバー 観光ガイド、通訳案内士、観光事業者、観光を専攻する学生等
内容 1.自己紹介
2.基調講演についての感想共有
3.自身の経験談等の共有 (日本のくらしや文化、作法等を伝える難しさなど)
4.海外の方が知りたいと思うこと、海外の方に伝えたいと思う ことについてディスカッション
5.今後国内外に発信していくべきこと、どのように発信して いくべきかについてディスカッション
6.グループごとに発表
7.小笠原清基氏の総評

各グループでの主な意見については,以下のとおりです。

グループ1

  • 最近の海外からのお客様は観光情報を事前収集している方が多く、案内する側も知識を増やす努力が必要
  • 海外からのお客様の傾向は、今の日本や日本人の日常に興味が移ってきている。
  • 日本的な約束事を正しく伝えることが大事。約束事は,言わずもがなという態度を取る人もいるが、具体的に言葉にして伝えないと、一般の方々と海外の方との共存が難しくなる。
     

グループ2

  • 文化の違いを伝えきれない苦労談が多く挙がった。(弁当などの冷めた料理への非難、和式トイレの使い方等)
  • トイレの使い方や、食べる時の音等、初めての日本流のマナーについて、海外の方は全て知りたいのではないか。
  • 日本人としても、英語で話す姿勢を見せる、専門的な定点ガイドを置く等、積極的な改革が必要。また、京都での暮らしのマナーを事前に伝えた上で、深い知識と京都人の人柄をもって、積極的なコミュニケーションで魅力を伝えることが大切。
     

グループ3

  • 道を聞かれた時に、英語を話せないながらも、身振り手振りで一生懸命伝える努力をしている。
  • 旅館の床の間に座ってしまったり、灰皿のない場所でタバコを捨てたりといったマナー違反も見受けられる。
  • 京都のしきたりや食文化など根底にあるものを日本人が知らない事が原因で、日本の文化を伝えきれていない。まずは、日本人が文化や習慣の意味を学び、次世代へ伝えていくことが大切。
     

グループ4

  • 文化や知識、価値観などの「差」を認識しながらどう伝えていくかという課題に対して話し合った。
  • マナーや作法を伝える際に、ルールとして伝えると相手に「なぜ?」という疑問が残る。文化や知識、価値観の差を理解した上で、意味や理由を説明することが大切。
  • 自分が伝えたい事ばかり伝えがちだが、相手の立場に立って、相手が何を知りたいのかを汲み取ることが大切。
     

小笠原 清基氏による総評

海外からの方に対して、日本人にありがちな言わずもがなの姿勢ではなく、これからは積極的に教え、伝えていくべきであり、私たちの意識も変えていく必要がある。そして、日本人が日本人であるという誇りをしっかりと持ち続けなければならない。
相手のことを知るには時間がかかるが、蓄積してきた知識や経験をもとに、ポイントとなる情報を事前に伝えておくことで、より京都文化の魅力を感じてもらえるのではないか。
私は文化を伝える者であり、皆さんはその文化を広げていただく存在だ。役割は違うが、日本の文化を正しく国内外に広めていくという面では同じであり、協力しながら進めていきたい。

あなたは旧式のブラウザをご利用中です
このウェブサイトを快適に閲覧するにはブラウザをアップグレードしてください。