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活動アーカイブ
2016年11月19日

東京 2020 応援文化オリンピアード認証事業

公開ワークショップin丹後 開催報告

京都文化力プロジェクト実行委員会では、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、京都から多彩な文化・芸術を世界に発信するとともに、国内外の人々と交流・協働し、新たな潮流を起こしていくため、府内各地域において取組を推進しています。
平成28年11月19日(土)に、丹後地域で地域の伝統芸能・食文化など生活に密着した文化をテーマにワークショップを開催し、約70名の参加者にお越しいただきました。
また、東京2020応援文化オリンピアードの認証も得て、東京2020大会とつながるイベントとして開催しました。

ワークショップの開催概要はこちらよりご覧いただけます。

主な意見

  • 京都市より歴史の長い丹後から、日本のよさを再認識し、海外にも発信していきたい。
  • 丹後は、景色もいい、食べ物もおいしい。自分が丹後を愛している。その気持ちがないと発信もできない。
  • 欧米は見せ方がうまい。日本は「つつましい」が発信の仕方を学びながら、どんどん海外にも発信していきたい。
  • キーワードは「温故知新」。8割で伝統を守りながら、2割で新しいことに挑戦し続ける。

第1部 書道パフォーマンス:高岡亜衣(書道家)

  • (約4分)
 

高岡亜衣氏

プロフィール

京都府宮津市出身
書道家
書道パフォーマンス アーティスト
高岡亜衣書道教室 書楽Room 主宰

第2部 基調講演:広野道子(21LADY株式会社代表取締役)

発言内容は要約したものです。発言内容の詳細については動画をご視聴ください。

  • (約16分)
 

広野道子氏

プロフィール

京都府与謝野町出身
21LADY株式会社代表取締役社長
株式会社洋菓子のヒロタ代表取締役会長兼社長
株式会社イルムスジャパン代表取締役社長

日本のちりめん、着物産業

私が生まれた頃は丹後ちりめんが隆盛を極めていた時代で、当時はどの家からも機音(はたおと)が聞こえていた。高度経済成長の中、特にガチャマン景気とよばれていた時代、帯や丹後ちりめんなどちりめん産業全体が伸びていく時期がバブルの最盛期くらいまであった。失われた30年と呼ばれる日本経済の低迷を迎え、いろんな産業が再構築されていったが、着物産業において、その市場規模は、30年を経て、10分の1程度になった。現在では、高くて良いものは日本で、安くてカジュアルなものは外国で、こうした生産地の棲み分けが出来上がってきており、高くて良い日本産の商品は売れなくなってきている。日本のような成熟した社会では仕方のないことだと考えている。
 

“女性”が持つ大きな影響力

例えば、東京の浅草では、旦那衆は見番や会合などで外に出ることが多く、家のほとんどを女将さんが支えている。丹後についても女性が家で機を織って家を支えていた。平安時代、そして京都の文化と同様に、女性が元気な時代というのは長く続く。 また、日本のGDP約500兆円の内の約380兆円は家計支出から成り立っている。家計の約8割はその家の主婦が決めていることから、GDP約380兆円は女性の意思決定によって成り立っていると言える。
 

2020年、そしてその先の成熟産業

各都市、各産業分野で人手不足が叫ばれているが、日本には、職に就いていない主婦、技術を持っているのに定年退職をした60歳以上の人たちが大勢いる。そういう人たちが上手く役割分担された上で軽薄短小の生活産業を支えていく、そうすればまだまだ日本の産業は伸びていく。
日本は地域に技術が残っているからこそ、新しいチャレンジができる。日本の商品、ブランドには信頼感があるし、素材が良いから高く売れる。江戸、明治期のようにヨーロッパ、アジアに日本のブランドを掲げて商品を売る、といった輸出に目を向けることも出来る。
東京では60歳から新規事業を始める人もいる。80、90歳になっても健康な限り働く、そういう気持ちで皆さんが頑張ってもらえれば、創業300周年の丹後ちりめんも含め日本の成熟産業は活性化し、残り続けていくと思う。

第3部 トークセッション

トークセッションでの発言内容を参加者別に要約したものです。発言内容の詳細については動画をご視聴ください。

  • (約30分)
 

高岡亜衣氏

書道でちりめん文化を発信

何かしら自分のできることで丹後ちりめんを広げていきたいという思いがあって、作品に丹後ちりめんを使わせて頂くことがある。最近では、ちりめん自体に字を書くパフォーマンスをしている。反物に書くこともあるし、着物の状態のものに書いたこともある。
私に出来ることとして、まず「丹後ちりめん」という言葉を広めたい。丹後ちりめんを遠目に見たときの、織目の綺麗な輝き、その美しさを海外の方にぜひ知って頂きたい。
 

東京ではなく、京都

10年くらい前に、東京に来たらどうかと誘いを受けたことがあるのだが、京都にこだわりたい、京都から発信をしたいという思いがあり、お断りをしたことがある。今後も京都からの発信を続けたいので、ここ京都に住んでいる。
私は、丹後で生まれ育ったことに何らかの意味があると考えている。自分の生まれ育った場所から発信していく、それが自分にピッタリくる。丹後から、世界に向けて発信していきたい。
 

4年後に向けて

世界遺産の上賀茂神社での新春書道パフォーマンスを今年から12年続けて務めることになった。今のところは紙を使う予定だが、いつか、ちりめんを使ってみたいと思う。去年の上賀茂神社の式年遷宮の際に奉納させて頂いた作品は丹後ちりめんに書かせてもらった。
あと4年、目の前のことをコツコツとあきらめずにやっていく。その中で、発信もしながら、新しいことにチャレンジしてステップアップしていきたい。

 

民谷共路氏

プロフィール

民谷螺鈿株式会社

日本独自の技術、螺鈿織

螺鈿とは、くり抜いた硬い木などと同じ形に貝殻を削ってそれをはめ込んで漆を塗り砥ぎ出す、蒔絵の技法。螺鈿織はその螺鈿のイメージを織物にしたもの。貝殻を薄く削ったものを和紙に貼り、それを細い糸状に裁断し緯糸として織り込む手法。角度によって貝殻が独特な輝き方をする。
40年あまり、帯を中心にやってきたが、20年前からはオリジナルな製品にも力を入れている。帯だけでなく、レザー、革製品に織り込んだり、木に織り込んだりして海外にテキスタイルの一つとして売り込んでいる。
 

世界においても光る独自性

螺鈿は日本国内よりも海外でその技術に驚かれる。フランスのパリを中心とした活動もしており、いくつかのハイブランド、オートクチュールブランドに、生地として採用してもらうなど広がりを見せている。
 

先細るちりめん産業

市場自体は縮小していて、市場規模は3000億円といわれているが、産地としての売り上げは減っている。1000万反ほどあった白生地の反数も今年で30万反を割る見通しで、総じて先細りという印象は拭えない。後継者問題もあり、丹後の若者の多くは下請けで働いているが、何か自分でものを作って勝負出来る、そういう環境が必要。技術が残っているうちにあがきをしないといけないのだが、まだまだそれが大きな動きになっている様には思えない。
 

伝統の展望、そしてパリに学ぶ

微妙で繊細な作業を300年も突き詰めてやっている。地理的な問題もあり、全体としての大きな動きにはなっていないが、コネクションを持ち続けていけば可能性はある。続けていくことが大事。また、発信の仕方はパリに学ぶところがあり、自分たちの行っていることへの自負と、ここでしかできない独自のクリエイション、扱い方、見せ方、言い方などの洗練を生む努力を伴った発進が必要。
オリンピックは丹後ちりめん、丹後織物が隆盛していくまたとない大きなきっかけ、チャンスだと思っている。

 

広野道子氏

業界を横串しで刺す

例えば、飲食店の内装デザインに京都の友禅の柄を使ったりする。全然違う業界とのコラボレーションだ。インテリアにおいても、イスの張地やベットカバー、壁紙などを日本の素材で作っている会社があり、また、デンマークとコラボしている京都の帯屋さんもある。発想が変われば違う使い方がある。
違う業界と交流することで意外な接点が生まれる。全部違うようでも、つながる共通したものがきっとある。
 

8割と2割

温故知新、古きを温めて新しきを知る。ベースの8割は伝統を守る。あとの2割で新しいことに挑戦をする。ベースがあるからこそ新しいことが出来る。ベースがあるうちに新しいことに挑戦し、革新していけば、成長していける。
 

丹後の未来のために

学生たちにインターンシップで丹後に来てもらいたい。こういう産業があったのか、と多くの気付きがきっとある。そして、東京など外に出ていくことで丹後の良さに改めて気付いた人たちとネット、SNSを通じて繋がっていく。そうすれば、驚くような革新が起こると思う。
また、外部の人の方が地域の価値を認めている現状で、現地の人たちが価値を認めれば何か変わっていくはず。日本が日本の良さを再認識すること。歴史を振り返り私も出来ることを考えたい。歴史が深い丹後はきっとその価値をもう一度見出せるのではないかと思う。

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